「プログラミングは独学でも習得できる?どうやって勉強するの?」
「独学で身につけたいけど挫折しないか心配」
このように、プログラミングの独学に関してお悩みではないでしょうか。独学は誰かに教えてもらうよりも難易度が上がるため、不安に感じる人も多いかもしれません。
この記事では、プログラミングの勉強方法や独学で挫折しないための対策を解説します。勉強前の準備段階から詳しく紹介しますので、ぜひお役立てください。
プログラミングスキルは独学でも身につく?
プログラミングスキルは、独学でも身につけられます。ただし、簡単な道のりではありませんので、長期的な取り組みが必要です。現役プログラマーと同等のスキルを習得したいとなると、さらに難易度が高まるでしょう。
経験者であっても、新しいプログラミング言語を習得する場合はそれなりの時間を要します。プログラミング未経験から勉強する場合は、当然ながら経験者よりも学ぶべきことが多いです。
効率良く勉強するためには、学習前の準備や自分に合う勉強方法の選択が重要です。取り組みやすい環境を作り、学習のモチベーションを保ちましょう。また、最初に「プログラミングで何を作りたいか」を明確にして、勉強する言語を定めることも大切です。
プログラミングの平均学習時間は?
プログラミングの平均学習時間は、一般的には「基礎レベルを習得するのに約200〜250時間」と言われています。250時間で考えた場合の学習期間は、以下の通りです。
- 250時間=1日2時間×週5日=約22週間(約6か月間)
1日2時間、週5日ペースで勉強した場合、基礎レベルの習得はおよそ半年間かかります。人によって異なるためあくまで目安ですが、目標設定に活用してみてください。
学習前の準備|プログラミングの基礎と必要なもの
プログラミングを独学する前に、プログラミングの基礎や必要なツールを把握しておきましょう。準備不足な状態で勉強を始めてしまうと、思わぬところでつまずくかもしれません。まずは、「プログラミングの基礎」と「必要なもの」の2つから紹介します。
1.そもそもプログラミングとは?基礎から理解しよう
そもそもプログラミングとは何かを正しく理解しましょう。プログラミングとは、コンピュータへの指示を書き出す作業を指します。書き出す際に用いるのが、プログラミング言語です。コンピュータは人間が扱う「自然言語」を理解できないため、プログラミング言語を用います。
自然言語には「日本語」や「英語」のような種類がありますが、プログラミング言語も同様です。「JavaScript」や「C++」といった言語があり、開発対象に合わせて使い分けます。
そのため「Webサイトを作りたいのにC++を勉強してしまった」とならないよう、開発したいものと学習すべき言語を合致させる必要があります。プログラミング言語の種類と開発対象については後述しますので、そちらを参考にしてみてください。
2.必要なものを用意する
プログラミングを学ぶ環境に関してですが、ハードウェアはPCとインターネットさえあれば問題ありません。ソフトウェアは、プログラミング言語を記述するための「エディタ」を用意します。エディタに加えて、コンパイラ・エラーチェックなどの機能をまとめた「統合開発環境(IDE)」もおすすめです。
開発環境の用意が難しい場合は、プログラミング学習サイトの利用も検討しましょう。たとえば「Progate」はWebブラウザ上でコードを記述できるため、環境の用意は不要です。
プログラミング言語の種類|独学するプログラミング言語を決めよう
前述の通り、プログラミング言語は開発目的によって使う種類が異なります。ここでは、4つの開発対象ごとに必要なプログラミング言語を紹介します。
- Web制作
- ゲーム開発
- アプリ開発
- AI開発
順番に解説します。
1.Web制作
Web制作には、Webサイトを構築するプログラム言語が必要です。習得が必須となるのは、主に以下の言語です。
- HTML:サイトに表示させる文字や画像を設定
- CSS:HTMLで設定した文字や画像のデザインを装飾
- JavaScript:サイトに動き(アニメーション)をつける
必須と言えるのは上記3つですが、Webアプリケーション制作にも使う「PHP」の習得もおすすめです。お問合せフォームやショッピングカートなどの動的なコンテンツの開発が可能になり、制作物の範囲が広がります。
ちなみに、HTMLやCSSは厳密に言えば、プログラミング言語ではありません。ただ、Web制作など各種開発に必要となる言語のため、本記事ではまとめてプログラミング言語として紹介しています。
2.ゲーム開発
ゲーム開発の場合、ゲームの種類によっても使われるプログラミング言語が異なります。詳しくは、以下の一覧表をご覧ください。
ゲームの種類 | プログラミング言語 |
コンシューマー | C++ / C# |
PCゲーム | C++ / C# / Swift |
スマホゲーム | C# / Java / Swift / Ruby / JavaScript |
ブラウザゲーム | C# / Ruby / JavaScript / PHP |
自分が作りたいゲームに合わせ、対応するプログラミング言語を選択しましょう。
3.アプリ開発
アプリ開発に関しても、アプリの種類ごとに習得すべきプログラミング言語が違います。アプリの種類と特徴、主なプログラミング言語について下記表にまとめました。
アプリの種類 | 特徴 | プログラミング言語 |
Webアプリ | インストール不要でWebブラウザ上で利用 | HTML / CSS / JavaScript / Java / Ruby / Python |
ネイティブアプリ | デバイスにインストールして利用 | PC向け:C言語 / C++ / C# / Java スマホ向け:Java / Kotlin / Swift / Objective-C |
ハイブリッドアプリ | Webアプリとネイティブアプリの特徴を併せ持つ | HTML / CSS / JavaScript / Java |
同じアプリ開発でも、学習する言語を間違えるとあらためて勉強し直さなくてはいけません。どのようなアプリが作りたいのか、はっきりとした方向性を決めておきましょう。
4.AI開発
AI開発でも、プログラミング言語が深く関わっています。AI開発で主に使われるプログラミング言語は、以下の通りです。
- Python
- C++
- R
- Julia
- JavaScript
上記の中で主流の言語は「Python(パイソン)」です。AIを支える機械学習の開発言語として普及しており、多くのサービスで利用されています。コードがシンプルなので、初心者でも比較的扱いやすい点も強みです。AI開発に携わりたいのであれば、まずはPythonから習得してみてはいかがでしょうか。
独学でできるプログラミングの勉強方法
プログラミングで作りたいものを決めたら、以下3つの中から勉強方法を選びましょう。
- 本を購入する
- 無料動画を参考にする
- 学習サイトを活用する
なお、上記の方法は1つだけに絞り込まず、併用もおすすめです。それぞれ紹介しますので、自分に合った独学スタイルを選んでみてください。
1.本を購入する
プログラミング関連本を購入して勉強する方法です。プログラミング言語について体系的に解説しており、順序立てて学べます。基礎から順番に勉強できるため、初心者でも理解しやすい点がメリットです。
言語別にさまざまな参考書籍があるので、自分が学びたい言語の本を買いましょう。ただし、わからない箇所があるとつまづきやすい点に注意が必要です。ネット検索や他の書籍を参考にして、自分で解決する必要があります。
2.無料動画を参考にする
インターネット上の無料動画も、独学に適している教材です。動画配信サイト「YouTube」には、プログラミング言語について解説している動画が多数あります。自分の知りたい分野について講座形式で学べるため、テキストよりも動画が好きな人におすすめです。
しかし、動画はだれでも投稿できるので、間違った解説をしている可能性もあります。そのため、情報の信憑性を見極められる判断力が重要です。解説している人のプロフィールや、コメント欄の指摘がないかといった点を確認しましょう。
3.学習サイトを活用する
プログラミングを専門的に学べる「プログラミング学習サイト」の活用も、おすすめの独学方法です。テキストやイラスト、動画などのさまざまな形式でプログラミングを学べます。ユーザーの習熟段階に合わせた内容を用意しているため、自分の理解度に合わせて利用可能です。無料サイトが多いですが、中には有料のサービスもあります。
サイト上のコンソールでコードを入力・エラーチェックできるサービスもあり、開発環境が用意できない人でも問題ありません。とはいえ、本格的にプログラミングを身につけたいのであれば、いずれは開発環境も自力で用意すべきです。「プログラミングに慣れてきたら自分で開発環境を用意する」といった目標を設定すると良いでしょう。
プログラミングの独学で挫折しないための対策
プログラミングは習熟するまで時間がかかり、独学の場合はなおさら挫折しやすいと言えます。挫折しがちなポイントと対策を事前に把握して、勉強を継続できるようにしましょう。具体的には以下4つをご覧ください。
- 質問できる環境を作る
- 無理に暗記しない
- 現実的な目標を立て勉強を習慣化する
- エラーに慣れる
なぜ上記の対策をすべきなのか、理由を詳しく説明します。
1.質問できる環境を作る
独学は、疑問点を質問できる環境作りも大切になります。プログラミングを挫折する要因となりやすいのが、「わからない箇所があっても質問できない」といった状況です。本や動画で自己解決しようにも、初心者は「どこに解決策の情報があるのかわからない、調べられない」状況に陥る恐れがあります。
周りにプログラミングに詳しい人がいるのであれば、1人で勉強することにこだわらず、対応してもらえる範囲でわからない箇所を質問しましょう。SNSを活用し、質問し合える勉強仲間を作るのもおすすめです。
相談相手がいない場合は、「terataill」や「Qiita」などのFAQサイトを利用してみてください。自分で質問を投稿したり、既存のFAQを検索したりできます。独学であっても、疑問点を解決しやすい環境を用意することが重要です。
2.無理に暗記しない
自分でコードを記述する際は、無理に暗記せずお手本のコードを参考にしましょう。プログラマーのイメージに「何も見ずにスムーズにコードを打つ姿」を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、実際にこうした作業ができるのは経験豊富なプロのみです。
初めてプログラミングを学ぶ場合、コードを暗記するのは難しいでしょう。むしろ、暗記作業に学習時間が取られてしまい、かえって挫折要因になりかねません。プログラマーのイメージ先行で暗記しようとせず、お手本を参照しながら手を動かすことが大事です。
プログラミング言語を学び、実際にWebサイトやアプリを開発していく中で、暗記せずとも自然とコードを覚えていきます。コードを暗記するためだけの学習時間は設けず、アウトプットを優先しましょう。
3.現実的な目標を立て勉強を習慣化する
プログラミングを学習する上で大切なのが、勉強の習慣化です。継続するためには「1年以内にLPを作る」といった無理のない目標を設定しましょう。ゴールを決め、そこからさらに細かく中間目標を決めていくと効果的です。
たとえば「1年以内にLPを作る」のであれば、「毎日1時間HTMLとCSSを勉強する」といった細かい目標を立てます。なお、勉強時間の目標に関しては「週末にまとめて勉強する」といった設定はおすすめしません。習慣化しづらいだけでなく、間隔が空くと復習に時間がかかってしまうからです。
さらに注意してほしいのが、非現実的な目標を立ててしまうこと。全くの初学者が「1ヶ月後にLPを作る」と無理のある目標を掲げると、達成できなかったときにモチベーション低下を招きかねません。モチベーション維持のためにも、達成しやすい目標を立てて勉強習慣を定着させましょう。
4.エラーに慣れる
プログラミング初心者の壁となるのが、エラーの発生です。頻発するエラーに心が折れ、勉強を辞めてしまう人が多く見られます。しかし、初心者のうちにエラーが生じるのは当然のことなので、「エラーは起きるもの」と慣れたほうが良いでしょう。
熟練のプログラマーでもエラーは起きますが、その度に適切に対処して解決しています。プロでさえエラーが生じるのですから、あまり悲観せず冷静に対処しましょう。初心者が学んでいる部分のエラーは基礎的なものが多く、Google検索でも解決方法に関する情報が見つけやすいです。
発生したエラーを解決する経験の積み重ねにより、プログラミング技術は磨かれます。エラーで諦めず、1つずつ解決していきましょう。
まとめ
プログラミングは、独学でも習得可能な技術です。基礎レベルであれば200〜250時間で習得できると言われています。書籍や学習サイトを活用して、効率良く勉強しましょう。挫折しないよう、学習コミュニティを作ったりエラーに慣れたりすることが重要です。万一、どうしても挫折しそうな場合は、独学にこだわらずプログラミングスクールも検討してみましょう。